どーも、Superteam Japanの大木です。先週、コロシアムが主催するSolanaのグローバルハッカソン「Radar」の結果が発表されました。本稿では、全部で9つある部門のうち、DAO/Network State部門において入賞したチームを紹介します。
1位から5位のチームを見て全体的に感じたことは以下の通りです。
- 全体的にトラクションが少なかった。ユーザー数を報告しているところはほぼ皆無。プロダクトやプロダクトのイメージを伝えてはいるが、実際に使われているところまでは報告できていない印象。またXのフォロワーが少ない。トップは5位のBlonkの292フォロワー(11/18時点)。つまり、プロダクトはミニマムなものだけ提出でOKで、実際に使われているというより、ビジネスアイデアのポテンシャルが重視されたようだ。逆に言うと、競争率は低く、日本チームにもチャンスが!?
- ほぼ全てのチームが、Radar出場前から、Solanaエコシステムの何らかの功労者。1位から5位のチームで、Superteamに所属しているのは2位から4位の3チーム。UKが2つでBalkansが1つ。1位のAlpha FCは過去にSolanaとのつながりがあったかどうか確認できていない。5位のBlonkは、スペインのSolanaコミュニティの関係者。
- Solanaのエコシステムで受賞経験や何らかのサポートを受けているケースが多かった。例えば、2位のMarshmallowは、Realmsのアクセラレーターに採用されていた。3位のBizzedは、Superteam UKが2024年6月に主催したDemo Dayで入賞、4位のLiving IPは前回のコロシアム主催のグローバルハッカソン「Renaissance」に出場経験あり、5位のBlonkはBonkの大物Nomから認知されていた。
- 日本でしばしば議論になるDAOの定義だが、Radarではかなり緩く使われていた。テーマは、スポーツ、子供への金融教育、中小企業のビジネス、DAO憲法改正、テレグラムグループにおける合意形成、と幅広かった。一貫したテーマは見出しづらかった。
- 2位のMarshmallowは、ピギーバンクを再定義することがミッション。ピギーバンクというグローバルで認知されているマネー教育のツールに焦点を当てたのは分かりやすかった。あと、2児の父親として普通に使いたくなった。
- 3位のBizzed、中小企業のビジネスをトークン化し、地域のビジネスを地域の人々がオーナーになって所有するという発想は、日本の地方創生にも活かせそう。
続いて、1位から5位までの各プロジェクトをそれぞれ簡単に紹介します。最後に関連リンクもつけていますので、ご自身でも見てみてください。
1位 : AlphaFC
- 既存のサッカークラブの株を取得してトークン化し、投票などAlpha FCのガバナンスモデルを使って、サッカーファン自らがサッカークラブの運営をできるようにする仕組みを提供。
- クラブのグッズデザイン等ブランディングの意思決定にも関与できる。
- 将来のリターンはサッカーファンに直接還元される。
- 米国のプロジェクト (米国にSuperteamはない)
- 現在 イングランド北部の6部リーグに所属するサッカークラブを訪問し、会長や監督と面会のうえ、株式購入契約の交渉を行っている。
リンク集:ホームページ(メールアドレスのみ登録可能), Xアカウント , プレゼンデック
2位: Marshmallow
- 子供がお金の使い方を学べる貯金箱「ピギーバンク」を「ファミリーDAO」として再定義する。子供はトークンホルダー、両親は共同パイロットとして、オンチェーンのツールを通じて、子供に金融リタラシーを教える。
- スタンフォード大学のマシュマロ実験 (The Stanford Marshmallow Experiment ) (より大きな報酬のために欲求を抑えた子どもたちが、長期的により良い成果を得たことを示した実験)に触発された。
- 「貯蓄」「収入」「目標設定」といった重要な原則に焦点を当てる。子どもたちは、仕事をこなし、目標を設定し、親が設定した貯蓄報酬を受け取ることで、お金の管理方法を学ぶ。
- KYC(本人確認)不要。
- 両親や家族が投票で子供にエスクローからお金を引き出すかを決める仕組み。
- 中小企業のビジネス(カフェ、レストラン、バーなど)をトークン化して投資するためのコミュニティプラットフォーム。年間平均30%の不労所得を得られると謳っている。
- 2030年までに7500万人のブーマー世代が引退することで、5.1兆ドルのマーケットが新たに創出されると試算。
- 歴史的に一部の投資家に限られてきた投資機会を開放し、地域のビジネスを地域の人々がオーナーになって所有するという発想。
- 景気が良い時も悪い時も安定して利益を得られる見込みがあることから、「史上最も退屈なプロダクト」と自ら呼んでいる。
- Superteam Ukに所属。
- Superteam UKが2024年6月に主催したDemo Dayで入賞。
リンク集:Xアカウント , プレゼンデック
3位 : Bizzed
- 中小企業のビジネス(カフェ、レストラン、バーなど)をトークン化して投資するためのコミュニティプラットフォーム。年間平均30%の不労所得を得られると謳っている。
- 2030年までに7500万人のブーマー世代が引退することで、5.1兆ドルのマーケットが新たに創出されると試算。
- 歴史的に一部の投資家に限られてきた投資機会を開放し、地域のビジネスを地域の人々がオーナーになって所有するという発想。
- 景気が良い時も悪い時も安定して利益を得られる見込みがあることから、「史上最も退屈なプロダクト」と自ら呼んでいる。
- Superteam Ukに所属。
- Superteam UKが2024年6月に主催したDemo Dayで入賞。
リンク集:Xアカウント , ホームページ , Demo Dayで入賞
4位 : Living IP
- DAOやNetwork StateがWeb3時代に適した憲法(Constitution)を作成できる共同IP作成プロトコルを構築。人々は民主主義に参加し、憲法関連文書への投票や編集提案ができるようになる。従来のように一部の政治家だけが憲法の改正を決定するのではなく、いつでも直接民主的な公開サイトで改正できる仕組み。
- ゲーム感覚で憲法の修正に参加し、貢献した人には報酬を渡す仕組み。
- 将来的にはWeb3ウィキペディアを作ってオンチェーン上に記録することを目指す。
- Colosseum主催のハッカソン「ルネッサンス」に参加。
- Superteam UK所属
リンク集:Xアカウント
5位: Blonk
- テレグラムのグループ内でマルチシグの原理で合意形成を図る仕組み。
- Solana財団が開発したウォレットとソーシャルメディアの連携を容易にする機能Blinksを採用。
- BonkのNomなど大物からも認知されている。
- 創業者のArthurはスペインのSolanaコミュニティ The Council DAOのBDとPRを務めている。
リンク集:Xアカウント , 創業者のXアカウント , BonkのNomからのツイート