ものづくりにおいては、人々が欲しいものを作る必要があります。クリプトのTwitter界隈では、大手のハイテク企業を批判しがちですが、彼らがユーザーから支持を得て大きくなったことを私たちは忘れがちです。
ここに(おそらく)Googleの初期の頃のスライドがあります。
(ソース: Google Searchology)
この画像は、Googleの数十年にわたるロードマップの本質を捉えています。
もし大手ハイテク全盛時代を迎えるきっかけとなったミームがあるならば、以下がおそらくクリプトのTwitter界隈で最も強力なミームでしょう(少なくとも強気市場の間は)。
私は、ビットコインを支えるためにはイデオロギー的な推進力が必要だったことを理解しています。Superteamの創業メンバーの一人であるAkshay BDは以前の記事でSolanaとプラグマティズムについて書いています。しかし、多くの才能ある創業者たちは、大量のミームを作成することが多くのユーザー獲得に繋がらないと気づいています。
しかし、クリプト関連の消費者向けアプリはまだ大きな成功を収めているとは言えません。成功するための最良の方法は、過去10年間にわたって繰り返し成功してきた原則を取り入れ、そこにWeb3の最も強力な要素(組成性と検閲耐性)を加えることです。
これを念頭に置き、多くのユーザーに利用される消費者向けアプリを構築するためのいくつかの原則を見てみましょう。
スマートフォンは、プロダクトを普及させる上で重要です。世界中の何億人もの人々にとって、ブロードバンド接続を備えた携帯電話はインターネットにアクセスする唯一の方法です。
(ソース: Wikipedia)
ほとんどのクリプト系のアプリは、モバイル対応をしていません。App Storeで少し検索をしてみると、取引所系のアプリ以外にほとんどアプリが見つかりません。クリプトの歴史において一番最初に普及が始まったのはトレーディングです。
チャートを大きな画面で見たいという理由からスマホよりPCを好むトレーダーも多いです。この初期の傾向が、クリプトのエコシステムの過度な金融化につながったという見方もあります。
また、Solana Labsの創業者であるAnatolyが、ポッドキャスト「Bankless」でSolanaモバイルの新製品「Saga」について話した際、GoogleやAppleによってアプリがシャットダウンされることを恐れて開発を躊躇する開発者たちの心境について語りました。
さらに、ウォレットへの依存やインフラの不足といったクリプト特有の問題もあり、モバイルで素晴らしい体験を提供することは容易ではありません。しかし、問題なのはユーザーがこれらの問題を全く気にしないという点です。
クリプトプロジェクトは、大規模な普及のチャンスを得るために、世界クラスのモバイルネイティブな体験を提供する必要があります。これには、以下の要素が含まれます。
アプリを一番早く台無しにするのは、レイテンシー(遅延時間)です。特にモバイルでは、数秒待たせるだけでユーザーは他のアプリに移動してしまいます。あなたの競争相手は、TikTok、WhatsApp、そしてそれらがもたらす無数のエンタメのトレンドです。
レイテンシーのプロダクトへの悪影響はよく調べられています。2010年にAmazonは、0.5秒の遅延でトラフィックが20%減少したことを発見しました。SEOの専門家ニール・パテルによると、ローディングに3秒以上かかるウェブサイトは、ユーザーの4割に見捨てられます。
状況にもよりますが、100ミリセカンドから2秒の間が適切な応答時間と考えられます。それを超えると、ユーザーの不満が聞こえ始めます。大手テクノロジー企業はこれを誰よりも理解しています。2015年、Facebookは2G Tuesdaysを導入し、サンフラシスコのチームが遅いインターネットでプロダクトを使用する感覚を味わうようにしました。
様々な条件下で良いパフォーマンスを発揮するアプリを構築することは容易ではありません。低性能なデバイス、携帯電話のネットワークの接続不良などを考慮する必要があります。ここでもハイテク大手は何十億ドルもの資金を投じ、継続的にUXの研究を続けており、まるで魔法のような体験を実現しています。
今日の解決策では、以下のことを受け入れる必要があります。
パブリックブロックチェーンは、中央集権的な組織が管理するデータベースほど速く動作しません。これは、パブリックブロックチェーンが多くの分散したノードでデータを処理するため、時間がかかるからです。分散化を最大限にすると、セキュリティや信頼性が向上する一方で、製品の使いやすさが低下してしまうことがあります。下記の2点を心にとめておく必要があるでしょう。
※Superteamのブログ ”Stop Building for Crypto Twitter”(2022年10月9日公開)を日本語に翻訳・加筆編集したモノです。