
2025年7月、Solanaのコア開発に関わる主要プレイヤーたちが、“インターネット資本市場(ICM)” のロードマップを共同発表した。
目指すのは、24時間365日、誰でも自由に参加できるグローバルかつ分散型の資本市場。今回の発表は、その未来像を支える技術群と、その導入ステップを明確に示すものとなっている。
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中央集権型取引所(CEX)が未だに主流である中、オンチェーンで構築される真のグローバル市場「Internet Capital Markets(ICM)」は、DeFiの究極形とも言えるコンセプトだ。
ICMが実現する未来では、
という、「金融版インターネット」とも言える構造が立ち上がる。
このビジョンの中核を担うのが、Anzaが開発するACE(Application-Controlled Execution)という新概念だ。
従来のブロックチェーンでは、取引の並び順はバリデーターが決めていた。しかしACEの登場によってDEXやアプリ自身が取引の順序制御(オーダリング)を実装できるように。
ACEは、取引順序という「市場の根本ルール」をアプリ開発者に開放する、いわば “スマート・マッチングエンジン” のような存在だ。
Jitoが開発する新たな取引集約レイヤー。アプリ開発者が “どう並べるか” を制御でき、CEXに匹敵する注文処理が可能に。
トランザクションの実行タイミングや順番の最適化を進め、Solanaネットワーク全体の公平性とスピードを強化。
専用ファイバーネットワークで、ノード間通信のレイテンシを極限まで削減。ソフトな“Solanaの高速回線”。
新コンセンサスアルゴリズムにより、トランザクション最終確定までの時間を12.8秒→150ミリ秒以下へ短縮。
複数のリーダーが同時にブロックを生成。結果として、地理的に分散したリアルタイム市場の実現が視野に入る。
ACE + MCL により、アプリごとに異なる市場ルールが併存可能な、マルチマーケット環境が完成。
この流れが意味するのは、CEXの優位性だった「スピード」「操作性」「フェアなマッチング」が、DeFiでも実現可能になるということ。
特に以下のような分野で変化が期待されている。
高速かつ正確なオーダーマッチングにより、オンチェーンで信頼される価格形成が可能に。
CEX並のスピードと安定性をオンチェーンで体感可能。
プライバシーオプション、スピードバンプ、フェアオーダリングなどアプリ独自設計が可能に。
今回のICMロードマップは、以下の主要プレイヤーが連携して構築している。
Solana Labsからスピンアウトした、コアクライアント開発の中心組織。
MEVインフラとBAMの開発者。
超低遅延ネットワークの開発者。
トレーディング系DeFiアプリ群
資金面で支えるベンチャーキャピタル。
まさにSolanaエコシステムの “頭脳と資本” が総結集したプロジェクトだ。
「分散型は遅い、CEXには勝てない」と言われ続けてきたが、Solana陣営は本気でその限界を突破しようとしている。
2025年後半から2026年にかけて、Solana上で立ち上がる新世代の取引市場は、DeFiという言葉を過去のものにするかもしれない。
インターネット資本市場(ICM)――それは、次の金融時代のスタンダードになる可能性を秘めている。
引用元:https://www.anza.xyz/blog/the-internet-capital-markets-roadmap